« 名探偵コーマン | トップページ | 分けたがり »

2007年2月18日 (日)

カテナチオ

頭上には冬の澄み切った空。辺り一面果てしない銀世界。かじかむ指。何処か遠くで聞こえる子供の笑い声。対してすぐ近くで聞こえる耳をつんざくような少女の悲鳴。そして眼前に悲鳴の発信源。乱れた少女の服装。涙でグチャグチャの顔。対峙するは薄汚い格好で目の焦点が合ってない青年。それは私。どうしてこのような事になってしまったのか。どうして?そう考えてみると理由なんてないのかも知れない。ただそこに少女がいるから。登山家が山に登る理由、冒険者が秘境を探索する理由などと全く同じである。要はこれは崇高な行動なのだ、そうに違いない。そう考えると俄然自信、勇気が沸いてくる。にやけてた顔も気持ちと供に次第に引き締まって行く。周辺の音全てが止まったように感じる。完全に集中状態に入った私。いざ行かん誰も足を踏み入れたことの無い、未開の秘境へ。おもむろにパンツを下ろす自分。と下ろすや否や号泣から一変、今度は笑い出す少女。箸が転んでもおかしい年頃とはこのことか。それともこれから起こる事を理解し気が触れたのか。


だがどうやら違うらしい。彼女曰く「だって、パパとかのと違ってちんちんがすっぽり服を着ているんだもの。弟のよりもちっちゃいし。」完全に勃起しているはずなのに皮に閉じこもったままの愚息。やる気十分に見えるのだが自分の殻に閉じこもったままの息子。不登校、ニート流行の余波はこんなところにまで押し寄せて来ていたのだ。


そうだったのか。全ての謎が氷解した。なぜ学校のトイレで友と一緒に用を足していると友は唐突に笑い出すのか。なぜ銭湯に入ると周囲の人が横目で見つつ失笑するのか。なぜ女性とホテルにまで行ったのにいざ服を脱ぐと鼻で笑われ平手打ちをされ帰られ置いてきぼりを食らうのか。どこかの文献で見たことがある。「日本の男たちの八割はKASEIである。彼らは往々にして自分の亀頭の敏感さに苦悩するが、そんな悩みも吹き飛ぶような、彼らを遥かに凌駕する階級がある。頂上階級とも言うべき階級、SHINSEIである。不潔なことこの上なく、性交することを能わん。」まさか自分がその頂上階級だったとは。なんと恥ずかしい事だ。恥の多い生涯を送って来ました。もちろんここでの恥とは23年間除去されることのなかった恥垢のことである。

|

« 名探偵コーマン | トップページ | 分けたがり »